Gクラスの電気自動車

2024年満を持して登場したGクラスのBEV（バッテリー式電気自動車）モデル「G580 with EQ Technology」略してG580。

外観はベースモデルに近く、一見して電気自動車とはわかりにくいデザインです。

G580 EQテクノロジーの特徴

2024年10月 G 580 with EQ Technology Edition 1 というオプションパッケージ車にて登場しました。

Edition 1外観はブルーのラインが入っている等違いがある物のほぼG450dと同じ外観をしています。

メルセデスベンツに一時期EV専用ブランドで「メルセデスEQ」がありました。

メルセデスブランドらしい内装と青いLEDライトや丸みを帯びた未来的な形状で環境を意識した印象でしたが、EQブランドは2024頃に廃止になってしまいました。
現在は既存ラインナップの中にEVがあるという構成に変わっています。

G580のデザインが従来のGクラスと大きく変わらなかったのは、EQブランド統合の流れと思われます。

G580はブラックエクステリアパッケージというオプションで、フロントパネルと内装のボードがブラック塗装され、LEDによって輪郭が浮かび上がる装備もあります。

細部を見ていくと、スペアタイヤラックが四角い充電ケーブル入れになっていたり利便性を兼ね備えた特徴が見られます。

ホイールごとに独立した個別のモーターを搭載しトータルで587馬力もあります。
重量が3tもありますが、トルクは1164N・mとガソリン車を軽く上回る走り出しがEVならではの特徴でもあります。

Edition 1では内装にも随所にブルーが使われ、控えめですがかつてのEQのブルーを意識した系譜も感じさせます。

話題になったGターン＆Gステアリング

登場時Gターン＆Gステアリングという、タイヤを左右逆回転させたり後輪を止めてその場でターンするという機能がSNSなどで紹介されていました。
これは機能として使うよりも、実際は狭い箇所でターンするには危険でありタイヤも消耗するためパフォーマンスに重点を置いた機能になってしまっていました。
設定を変更してからでないとできないため、公道では禁止となっています。

販売展開の戦略上Gターンに注目ということもありましたが、技術的機構に注目すると全216個12モジュールのバッテリーを並べられるようフレームを設計し、ユニットへの水の侵入を防ぐシーリングも徹底して行われたそうです。

当初のコンセプトカーでは未来的なフォルムでもはやGクラスとは別物のイメージもありましたが、未来的よりも現実に軸足を置いた車になりました。
まだ発売してあまり経っていない車ではありますが結果的には、メルセデスベンツの戦略の変更からガソリン・ハイブリッド車と外観はなるべく同じにする方向性になり「新しさ」の部分は若干弱まってしまったように思います。

BEV界隈ではテスラから中国勢のBYDやシャオミの台頭と速いサイクルがあり、ユーザー側がそこまでついて来ていない、または電気自動車が発展途上ということもありそこまで人気が出たとは言えない車種になっています。

リセールはどうなのか？

一種の人気度でもある「リセール」も調べてみると、新車価格 G580 with EQ Technology Edition 1（オプション搭載グレード）【MP202501】¥26,350,000 です。
しかし、小売りで2,200万円前後。カラーによっては2,000万円を切る車両も見られます。
買取価格を2,000万円ほどと簡単に見積もっても約1年で3割近く安くなってしまう価格です。

もちろん小売価格は買取価格ではなく、正確な買取金額は実車査定が必要です。
とは言え業者の利益や諸経費を鑑みても正直リセールバリューはよくないと言えるかもしれません。

今後の展望

EVはまだ発展途上の段階であり、充電に時間がかかることや充電インフラが十分に整っていない点も課題としてあげられます。
EVならではの災害時に使える給電機能（V2L、V2H）などもG580は非搭載。価格が高いことから、現状ではガソリン車やハイブリッド車が依然として選ばれやすい状況です。

G580はモーター駆動ならではの高い静粛性を備えており、街中では落ち着いた快適な走りを楽しめます。
また、オフロード走行時にはモーター特有の瞬発力とトルクを活かした力強い発進性能を発揮します。

とはいえ、車両価格は依然として高額であり、Gクラス自体もすでにハイブリッドモデルが展開されていることから、現状ではガソリン車やハイブリッド車が主流であるのが実情です。